夏は体内の陽気も発散させることが大切です。これが上手くできないと、体内に熱が溜まっていき、冷房や冷たい飲食物を好む様になり、胃腸が冷えて胸に熱が籠ってしまい、食欲不振や下痢に陥り易くなります。大きな太陽の下で花が全開するように、人間の体内にある陽気を、老廃物や毒素、汗とともに皮膚を通じて外に排泄・放散することが健康を保つ鍵になります。そして、この時期の不調の元となる2大要素:熱と湿気に対処しましょう。
中医学では、食物をその働きによって分類しています。体内の熱を取り除き身体の中から冷やす働きのあるもの(清熱類食物)と、利尿作用があり水液代謝を促進させるもの(利湿類食物)未月に適した食物といえます。
キュウリ、苦瓜、スイカ、ベリー類、ペパーミントなどは、嗜眠、うっ血、関節の腫れ、胃腸障害などの湿気に関連する症状を和らげ、活発な心身状態を保つことが出来ます。また、金の五行に属する食物-生姜、唐辛子、ターメリック、キムチなどは、身体内の熱を発散させるのに役立ちます。
黄帝内経には、夏の養生は『夜は遅く寝て朝は早く起きる。日の長さと暑さを厭わず、物事に怒らずに気持ちよく過ごすべき。』とあります。夜更かし大いに結構!でも日の出とともに起き、物事にイライラせず、楽しい気持ちを保ち、適度に汗をかいて暑さや湿気(現在はこれにプラスして冷房病)から身を守ること、これが夏の養生法です。