今年も酷暑の夏となり、このお盆休み、夏バテでダウンしている方も多いのではないでしょうか。お盆になると、毎年思い出すことがあります。
英国大使館で働いていた当時、赴任して初めて日本の夏を迎えたオフィサー(女性)にお盆休みについて話をしていた時のこと。中小企業や工場など、お盆の1週間を休業するところが多いことや、多くの日本人が一斉にこの時期に夏休みを取ること、そのため都心のオフィス街はガランとすること、などなど。本国のバケーションシーズンに日本のお盆休みが重なって、大使館業務もだいぶ余裕があったので、仕事中にそんな話になった訳です。
その翌年、猛暑真っ只中のお盆の時期、廊下で彼女から声を掛けられました。『カズエ、日本人がこの時期に休むことにしているのは、自然の摂理に叶っているのよ。』夏バテで苦しんでいたらしく、『お盆休みっていうのは、働いちゃいけない時なのよ。日本の習慣は、ほんと良く出来ていると思う。』
梅雨が明け、夏本番の暑さを迎えて2~3週間。外気温とエアコンの温度差、自律神経の乱れによる胃腸の不具合や食欲不振、熱帯夜による寝不足、水分不足、などによる蓄積疲労がピークを迎えるのがお盆の時期なのでしょう。Chinese Almanac(中華農民暦)では、立秋を過ぎたお盆休みは秋(金の五行のエネルギー)とみなす訳ですが、地球温暖化により年々最高気温が高くなっていく現状を踏まえると、養生学の実践も、少し変えていくのが道理にあっているのではないでしょうか。
せめて朝晩に涼しい空気が入ってくるまでは、夏の養生法を続けていくのが理に叶っていると思います。水分摂取には気を付けていても、タンパク質不足は意外と見落としがちです。高温下では、人体内で分解されるタンパク質量が増加するのです。
土用の鰻や夏場の焼き肉、BBQや肉フェスなど、夏に動物性タンパク質を多く摂るのは、身体の自然欲求に叶っているんですよ。