今回のスイス旅のメインは、毎年2月の第1・第2・第3土曜日の3日間のみ行われるWhite Turfと言う名の氷上(雪上)競馬の取材撮影。そもそもの始まりは昨夏、風水ツアーの情報収集のために伺ったスイス大使館にて、大使夫人が『サン・モリッツでは氷の上で競馬をするのよ。観る価値があるわよ。』と私の耳元で囁いたことでした。そこからミラクルがたなぼた式に続き、サン・モリッツの地に辿り着いた訳です。夫曰く、『わらしべ長者の旅(笑)』。本当にビックリするほど各方面からご協力を頂けたのです。
サン・モリッツは山に囲まれた高地にあって、平均で年間320日が晴れという爽やかな気候でも有名な街。独特の心地良い空気感は‟シャンパン気候”と呼ばれているそうです。しかし、2019年のWhite Turf初日は朝から生憎の雪模様。逆に珍しいとのこと。ホテルからサン・モリッツ湖までは徒歩20分弱なのですが、さすがの天気に『歩くのは大変ですよ、会場の近くまでお送りしましょう』とホテルが車を出してくれました。さすがのサービスです。
結構本格的な雪降りの1日でした。
送って貰えて助かりました!クルムの多くのスタッフは、仕事と重なってしまうので、White Turfを生で観戦したことがないそうです。ホテルに戻ると、あれこれ質問攻めでした。
湖の淵にある入口から、馬場となっている会場までは結構遠かった!
まずは手続きのためにプレス・センターへ。馬場を囲む様にテントがいくつも建てられており、一番奥がプレス用。配布されていた分厚いメディア取材用の資料を読み込んだ上で、事前に取材パスの申請と登録は済ませてあったため、当日は本人確認と取材パスの受け取りだけでした。夫も私もこういう仕事は初めてなので、勝手が判らないけれどもテンションは高いという状態。
VIP席(ひとり10万円!)のテント、競馬の賭け窓口用テント、救護室…
ここがプレス用のテント。お昼ゴハン代わりのスナックも配布されました。
プレスセンター内部はこんな感じ。席数が少ないので早い者勝ちっぽい。
我々が貰えたメディアパスはリストバンド状のもの。これを見せると取材エリアに入れます。
カメラ二刀流で準備万端。
White Turfは、1907年に始まった歴史あるイベントであり、サン・モリッツのあるエガンディン地方の伝統行事でもあり。スイスで一番賞金の高い競馬としても有名で(Credi SwissとBMWが2大スポンサー、2019年のメインスポンサーはLongines)、そのため欧州各国のジョッキーたちがこぞって出場したがる人気のレースなんですよ。完璧に凍ったサン・モリッツ湖(氷の厚さは約80センチだそう)に、更に雪を50センチ敷き詰めた(盛った)後に圧縮し、真っ白な馬場を作ったところで競馬が催されます。雪上ポロ大会や世界スキー選手権など、華やかなイベントがいろいろと開催される中でも、このホワイト・ターフは冬のサン・モリッツのハイライト!スイス国内はもちろん、世界各国から富裕層やVIPがこれを観るためにわざわざやってくるのです。なんとも華やかでゴージャス!
ダルメシアン柄(?)の毛皮コートをお召しのマダーム。
飛びぬけて素敵なマダーム。良く見ると幾重にも黒い服をレイヤード。黒い毛皮の帽子&コート、赤い口紅、白いスカーフ、そしてキャッツアイ型サングラス、絶妙なお洒落バランス!
迫力の毛皮コートにハットを合わせるところがニクイ! 白髪もファッションの一部な感じ。若い娘には真似できない迫力あるお洒落があります。
とにかくレベルが違うラグジュアリー・リゾートだということは聞いていましたが、世界的にアンチ・ファーが主流となっているこのご時世に、リアル・ファーを纏った人をこんなに沢山見るとは。ここは欧州でもトップの社交場、昔からずっと毛皮のコートを着慣れている人々が集ってきている訳なので、当たり前なのでしょう。逆に言えば、足首まで覆う毛皮のロングコートを着る必要があるだけ、サン・モリッツが寒いということ!とにかく寒い!冷える!しかもこの日は雪降りやまず!初めて超極暖ヒートテックを上下で着ました。その上にヒートテックのフリースに防寒パンツを着込み、ネックウォーマーに毛糸の帽子、背中とお尻にカイロをいくつもペタペタ貼って、それでやっと居られる感じ。顔が冷たかった!
慣れない雪国仕様で苦笑い。