9月の終わりころから、寝る時間が早くなってきました。最近では22時を過ぎると、自然と瞼が重くなって来てもうダメです。どんなに笑えるTV番組を見ていても、スゥ~っと睡魔に襲われるのは不思議!ですが、これも無為自然、宇宙のエネルギーリズムと一体になっているという証拠ということで。なんてったって秋ですから。暦上では秋が一番深まったところ、晩秋ですから。
秋の3か月(8:申月/9:酉月/10:戌月)は“収斂”の季節で、五行では金のエネルギーです。収斂には、収めるという意味と、成長がとまり調整するという意味があります。この宇宙にある全てのものは熟して実り、全てのことが安定してくるというエネルギー。この季節の養生法は、まさに酉=鶏に倣え、なんです。鶏と同じ様に早寝早起きが、秋の養生法の大基本。夜早くに眠くなるのは、秋のエネルギーに同調している証拠ですね(荒井式中心気功を学び始めてからの、生長・成果のひとつということで、ニンマリしています)。
秋は感情も“収斂”を心掛けるべき時です。努めて感情を高ぶらせず、少しづつ気持ちを安定させ、自分の気を身体の中に収めるようなイメージで過ごすと良いとされています。中医学では、これをしないでいると肺(金の五行に属する臓器)を痛めることになります。さらに、冬にはお腹を下しがちになったり、病気に掛かりやすくなってしまいます。
また、空気が乾燥する秋は、“燥邪”に侵されやすい時です。乾いた空気は肺や呼吸器を傷め、咳や痰が出やすくなる時期ですから、肺を潤す食養生が望ましいですね。食材としては、アーモンド、梨、百合根、ごぼう、レンコン、銀杏などがあります。杏仁も湿潤の食材ですので、秋のデザートは杏仁豆腐がベストですね!
余談ですが、古代中国では秋に刑の執行をすることが多かったと多くの文献に残されています。当時の理由を見つけ出すことは難しいのですが、現代の歴史家の解釈としては、自然と人間はひとつであるという、中華宇宙論(中華形而上学)の観念から、『秋の何とも言えず物寂しく、全てのものが枯れ落ちゆくという自然の摂理が、人間の生命を枯らすということに結びついているためではないか』と言うことです。