サン・モリッツを去る朝。昨日の雪空とは打って変わった晴天!これがサン・モリッツのスタンダードだそうです。確かに冷たいけれどキレイな空気、シャンパン気候の意味が解ります。高い山脈に囲まれているスイス、チューリッヒもそうだったのですが、日の入りが早く、日の出が遅いのです。そのため、朝ゴハンは薄暗い中で食べ、食後の一服を終えてしばらくして、9時過ぎに太陽がコンニチハ、という感じ。

雲ひとつ無い晴天。

クルムでの最後の朝ゴハンをゆっくり堪能した後、チェックアウトの合間にスタッフの人々と歓談。また絶対に泊まりに来るから、と強く約束したのでした。チューリッヒからのハードな列車移動を差し引いても、ここは来るに値する場所と言えるでしょう。冬のサン・モリッツの楽しみはWhite Turfだけでなく、街の中央からケーブルカー(リフト)で山の上に上がって行けばスキー場があるし、湖の反対側のバート地区には温泉治療施設(スパとして利用可)、そして近隣の村々をぐるっと巡れるクロスカントリーコースが沢山あります。クルムに滞在している人々は、殆どがスキーホリディを堪能している様でした。一方、夏はトレッキングやハイキングを楽しむ人が過ごす場所になります。

ホテルの車で駅まで送ってもらい、これからスイス名物のひとつ:ベルニナ特急へ乗り込みます。『レーティッシュ鉄道ベルニナ線と周辺の景観』は、ユネスコの世界遺産に登録されているほど、景色が素晴らしいところ。サン・モリッツを10:48に出発、終点のイタリア国境の街ティラーノに13:00到着予定。まぁまぁの長旅です(が、その後の方が更に長旅なのでした)。せっかくなので屋根まで大きな窓になっているパノラマ車両の席を予約していたのですが、これが大正解!

パノラマ車は予約時に座席指定もできます。

座席もゆったりで2時間超の旅もくつろげました。

昨日の喧騒が嘘のように静まり返ったサン・モリッツ湖。あそこに1日中いたのが遠い昔の様な気がします。

ベルニナ特急は、高低差1,800mの起伏に富んだルート。アルプスの峠を越えイタリア国境の村まで、氷河やオープンループ橋など見どころが満載。様々な景色が楽しめることで人気があります。最高地点であるオスピツィオ・ベルニナ(標高2253m)までは、雪山の景色が続きます。

氷河の上に雪が積もっています。ちらっと見えているアクアマリン色の部分、あれが氷河。

昨日一昨日で積もった雪。どれだけ降ったんだ?という。

山脈を越えていくので、カーブが多いのもベルニナ線の特徴。

だんだんと高度が下がって行くにつれ、景色も変わってきます。イタリア語圏に入ると雪が少なくなり、見慣れたイタリアの田舎町と言った感じの畑が広がる光景に。地続きの欧州だと、国境ではそれぞれの文化が混じり合っているので面白いですよね。とにかく見どころが多い路線、一番有名な360度ループ橋もあっという間に過ぎ去ってしまい、しかも予想よりも大きかったので、写真に上手く撮れず(やむを得ず動画で撮影)。ぐるっと橋を降りると、もう直ぐ終点ティラーノです。

ループ橋の一部。ぐるっと回って高度を下げていきます。

終点のティラーノは、人気の特急の終着駅にしては非常に小さな街でした。ベルニナ線のティラーノ駅のすぐ隣に、イタリア国鉄のティラーノ駅があります。ここまでで我々のスイスの旅(お仕事モード)は終了。ここからスイスの大都市へ戻ることも可能ですが、来た道をそのまま帰るのもつまらないし、せっかく国境まで来たのだから、‟家族”のいるイタリアへ寄り道して帰ろう!ということで、ティラーノから列車でミラノを目指します。乗り継ぎまで2時間、駅前のカフェで腹ごしらえ&まったりタイム。もちろんワインも。ランチなので白です。

郷に入っては郷に従え。イタリアに来たのでここからはイタリア料理。

ちなみに、今回の旅でWifiをスイス用、イタリア用と借りて行ったのですが、ティラーノではどちらが入ったでしょうか?試したところ、駅前のエリアではスイス用しか使えませんでした。