翌日は、ミラノ市南部にあるナヴィリオ運河(Naviglio Grande)へ行きました。ここは私も初めて訪れる場所。中世末期までミラノ市内は運河があちこちに張り巡らされていて、物流だけでなく交通の手段でもあったそうです。ドゥオモを建設する際の資材も、運河によって運ばれたとか。交通手段が発達するにつれ、運河はどんどん埋め立てられてしまい、現在はここに残るだけだそうです。

運河沿いにはお洒落なカフェやレストランが並んでいて、毎晩夜になるとミラノっ子が集まってくる人気のエリアだそうです。エレオノーラによると、ミラノ大学の学生たちは、夕方ここで集まってジェラートを食べるのが好きみたい。

マーケットも開かれていました。新鮮なアーティチョーク!今回の渡伊では食べる機会が無く残念でした。

昨日いろいろ回ったファッショナブルなミラノ中心部に比べると、下町にあたるこのエリアはミラネーゼの普通の生活がより垣間見れるところです。この路地をずんずん歩いて、ドゥオモまで戻ることになりました(ローザの希望)。1本道で行けるので、難しくはないし、地図で見ると3キロ弱なのですが、テレテレ歩いたので結構な距離感でした。

途中には4世紀に建造されたサン・ロレンツォ・マッジョーレ聖堂(Basilica di San Lorenzo Maggiore)があり、ここは八角形の礼拝堂と建築当時のモザイク、教会前に立つ古代ローマ神殿の円柱で有名な教会です。

教会前に何故かスニーカーが沢山吊るされていました。投げて上手にぶる下がると、願いが叶うとか?

無事にドゥオモ広場へ到着し、ミーハーですが、ガレリアにあるカンパリのレストランでやや早めのランチタイム。もちろん食前酒はカンパリ。久々に飲みましたが、私は結構好きなのです、この変わった苦み。レストランとは言えバールがメイン、お料理はちょっとしたパスタ系やハンバーガー類しかないのですが(ローザ曰く、イタリアでハンバーガー食べるのは何年ぶりかな?)、メニューにしては結構イイお値段なのですが、まぁ場所代、食事しながらガレリアを行きかう人々ウォッチングが出来る値段も込みということですね。

ちなみに、ハンバーガーの付け合わせのポテトチップスは、生のジャガイモから作った作り立てだったので美味しかったですよ。

なに、私のこと撮ってるの?ハイ、そうです。

その時ちょうど、お店の外でTV番組の撮影をしていました。Osvaldo Bevilacquaというイタリアでは有名な司会者兼ジャーナリストで、彼がイタリアのあちこちの街を歩いて紹介する長寿番組だそうです。イタリア版ブラタモリみたいなことでしょうか。いつも冷静なローザ、あんなに興奮したのを初めて見ました(笑)。

ランチ後、ローザはサレルノへ帰って行きました。忙しいのに(テレコムイタリアのお偉いさんなんです)わざわざミラノまで来てくれてどうも有難う!なるべく近いうちに、パパ&ママが元気なうちにまた行くから!

イタリア式挨拶(チークキス)は、右・左・右と3回なんです。地域によって2回のところもある様ですが、カルディナーレ家は3回なんです。

ローザを見送った後、我ら夫婦に残された時間も今晩限りということで、最後にどこに行く?実は、ミラノは美術館や教会巡り(有名な絵画は教会にある場合が多いので)、ブランドでのショッピングを除くと、意外と見どころって少ないのです。ということで、夫の希望で朝イチで行ったナヴィリオ運河を再訪することに。

なんと、ここでまたマエストロ&撮影隊御一行と遭遇!

ご縁があるのでしょうか?

今度は運河に沈んだ自転車を引き上げている人々と遭遇。ぜひ写真を撮ってくれと。

撮った写真を送って欲しいと、メール交換。後日届いた彼からのメールでは、ナヴィリオ運河をきれいにする活動をしている団体なんだそうです。http://angelideinavigli.com/

1週間ちょっとで2つの国を巡るのは忙しかったですが、久しぶりのイタリアで、やっぱり私はイタリアが好き、と再確認した旅でした。前半のスイスでおもてなしされまくりだったので、ミラノではそのギャップに凹みましたが、それも含めてミラノに立ち寄って良かったなぁと。日本にはない大家族がここにいるということは、心強いですね。本当に近いうちに、また帰郷したいです。