『経年劣化』という言葉は、みなさんご存じだと思います。時が経つにつれて性能や機能が低下すること、悪い意味での経年変化を意味する言葉ですよね。ところがここ最近、その反対となる『経年美化』という言葉が女性誌に最近チラホラ出回っているではないですか!

元々は、古民家など古い木造建築ブームが起こった数年前より、建築業界で使われ始めた言葉だそうです。『経年美化』するもの=新しい時よりも時間が経ってからピークを迎えるもの、ということで、古民家に代表される木造建築をイメージすると判りやすいですね。木材は、陽に焼けることにより味わいが増し、磨くことにより光沢が出て、伐採されてから100年くらいで強度のピークを迎える訳です。

このセオリーは私たち人間にも通用するということ!人間は限りある命を生きる生物なので、老化は避けられませんが、劣化は避けられるでしょう、ということです。年相応に美しく生きるということで、Anti-AgingではなくBeautiful-Agingの方が良い、という流れは数年前から出てきていましたが、ここに来て『経年美化』ですよ!歳とって“なお”美しく、ではなく、歳とって‶より”美しく。

『女性はワインと同じ、時間を経るほど価値のある良いものになる』或いは、『女性はダイヤモンドと同じ、時間をかけて磨けば磨くほど美しく価値のあるものになる』などなど。フランスなど欧州では、ひと昔もふた昔も前からこういう文化が根付いています。かたや日本では、女性がクリスマスケーキに例えられるなど、Over30、特に熟女以上の年齢層の女性の価値は、あまり評価されることが少なかったように思いますが、どうでしょう?

熟すほど美味しく。熟すほど美しく。

大手企業がこぞって社員や社風のグローバル化を言い出してから数年、日本全体で価値観のグローバル化も進んできたということでしょうか?何はともあれ、良い言葉じゃないですか、経年美化。ただし、熟すほど美しくなるを実現するには、それ相応の意識と言動が必要とされるということでもあります。No Action, No Beauty. 2018年度初め、自戒をこめて(笑)。