東京都内各所も、ワラワラと外国人観光客が増えてきました。多くが家族旅行というのがこの季節の特徴かもしれませんね。なにしろ欧米の多くの国では、小学校、中学校、高校もなんと6月初旬から夏休みに入り、新学期が始まる9月中旬までがヴァカンス・シーズンな訳です。国によって違いはありますが、4週間~6週間のヴァカンス取得が、法律で義務付けられている場合が多いので、次のヴァカンスのために一生懸命仕事をするというのが、彼らにとっては“普通”のこと。私のイタリア人家族、カルデイナーレ家の面々も、それぞれヴァカンスに出かけている様で、あちこちで撮った写真が毎日の様に送られてきています。青い海、眩い太陽、ビーチでカクテル、羨ましい~!
それに比べると日本はまだまだ、有給休暇を取るにも冷ややかな視線を浴びたり、休みを取ることに後ろめたさを感じてしまったりする職場が多いのが現状ではないでしょうか?かつて私も日系から外資系の職場へ転職した時に、その違いを肌で感じたものです。Quality of Lifeの面では、残念ながら日本は全然世界基準に届いていないと思いますが・・・。
ところで、ヴァカンス(仏:Vacances、英:Vacation、伊:Vacanza)言葉、日本でも普通に使われていますが、本来の意味をご存知ですか?語源はラテン語でVuoto(ヴォート)。“空っぽであること” を表す単語だそうです。頭と心を空っぽにして、リラックスしてとことん楽しむ休暇が、ヴァカンスなのです。日頃のしがらみやストレスから徹底的に開放されて、“無”になることがヴァカンス。だから多くの人は、海や山などリゾートに週単位で滞在し、何か特別なことをするでもなく、ボーっと骨休めという夏休みを過ごします。1日中ダラダラと、読書をしたり、昼寝をしたり、好きな時間を過ごすのが定番ですね。あちこち観光し、あれこれ予定を詰め込む日本人の夏休みとは大違い。特にイタリア人を見ていると、“本気で休む=本気で何もしない”ということを、徹底してやる感じ。だからこそ、あんなに陽気で活気に満ち溢れた国民性になるのかもしれません。
“本気で休む” – 寝ても寝ても疲れが取れない、心身ともに調子が出ない、どうも人生上手く回らない、そんな貴方!今年の夏休みは“本気で休む”という欧米流ヴァカンスを過ごしてみてはいかがでしょうか?休み慣れていない人にとって、本気で休むというのは、結構難しいことだったりします。
中華宇宙論(中華形而上学)的には、“何もしない”というのは、“何もしないでいること”とはちょっと違うんですよ。“何ら作為をせず、あるがままの状態でいること”を言います。つまりは、ヴァカンスとは『自分を無にして自然のリズムに委ねてみること』、TAO、宇宙の真理、宇宙の波動と自分がひとつになること、そういうことなんですね!