二十四節気の大雪の日に、東京などもこの冬一番の寒さに見舞われました。Chinese Almanac(中華農民暦)では、12月は子月。冬のエネルギーはピークを迎え、陰が最も最大となり、闇が一番力を持つ時です。

基本的に、天候を変えることは不可能ですから、宇宙のエネルギーに合わせて暮らすことが一番理に叶っている訳です。自然界を見れば、多くの動物たちは冬眠をすることで生命を守り、また渡り鳥など暖かい地方へ移動し続けることで厳しい冬の寒さを乗り切っている訳です。私たちは通常、冬眠もしませんし(暖かい布団の中にいる時間は確実に長くなりますが)、越冬のために移動することはしませんが(中には冬の無い場所へ逃避する人もいらっしゃるでしょうが)、それら以外にも、冬を元気に乗り切り、活力に満ちて春を迎えることが出来るようになる暮らし方のヒントがあります。

中医学に於いて、この時期の養生の基本は『養腎防寒』、寒さを防いで腎臓を労わることが健康の鍵になります。中華宇宙論では、腎というのは先天の気=生まれ持ったエネルギーで、食事(栄養)や心身の鍛錬によって養われる後天の気とは別に存在し、人間にとって生命の源となる大事なエネルギーなのです。

まずは『早寝遅起』。そして、身体を温める食事をすること。身体を冷やさないこと、特に三首(首、手首、足首)を温めること。陰のエネルギーに合わせ、出来るだけ静かで心穏やかな暮らしをすることで、腎の気の貯蓄が出来ます。

意外と見落とされがちなのが、冬場の水分補給です。寒い上に汗もかかなくなるので、夏場に比べて水分の摂取量がガクンと低くなる人が多いのです。身体の乾燥に対して、外側から保湿する人は多いと思いますが、身体を内側から潤しておくことは保湿の基本です。特に、腸に水分が十分にあることで便通も整い、血液がドロドロになることを防ぎ、引いては全身の機能が整うことになります。常温~暖かい水分を努めて摂ると良いですよ。

また、お仲間のドクターによると、日本人は他の国の人々に比べてビタミンCとDの摂取量が極端に少ないのだそうです。ビタミンDを増やすには、毎日10分程度の日光浴が推奨とのことですが(ガラス越しは×)、室内に籠りがちな季節、これらのビタミンを多く含む食事メニューを考えてみてはいかがでしょうか。

暦上は陰のピークですが、街中が最も華やぐ季節です。