夫が写真家としての活動を始めてから、撮影で出掛けることに同行する機会もいろいろと増えました。そのお陰で、自分ひとりでは絶対に足を延ばすことは無い場所を訪れることになり、新鮮な体験を楽しむことが多くなりました。

が、‟ネイチャーフォト”というカテゴリの写真を撮るとなると、当然ながら‟Nature”が撮れる場所へ赴く訳です。非アウトドア人間として半世紀生きてきた私にとっては、大変な困難を伴う訳で。

そこへ行かないと撮れない写真があるのです。

まず現地へ行くまでが大変。当然ながら郊外や遠方になるため、早朝出発や、電車やバスを乗り継いで何時間も掛けて行くことに。周囲からは‟旅慣れているよね”と言われる私ですが、移動はそれだけで結構なエネルギーを消耗するもの。私の場合、海外へ行く際は基本的に直行便、直行便が無い場所へはその都度、最短かつ最適なルートで飛びます(よって、搭乗数の割にはあまりマイレージが溜まりません)。なので、海外へ行くよりも、国内で‟奥地”へ行く場合の方が、現地に着くまでにヘロヘロになっていることが多いです。日本は山岳国家だからでしょうか、アクセスが簡単に行かないことが多い気がします。

現地に着いたら着いたで、自然界の諸々が立ちはだかります。特に虫。種類や大小に関わらず、あらゆる虫が天敵なので。野生の動物に遭遇することもありますね。動物も得意ではないので、目の前に現れたり、ましてや囲まれてしまった時にはもう大変。恥ずかしながらパニックです(動物園へ行くことは好きなのですが)。

そして天候の違いや急変。基本的に、天気の悪い日には仕事以外で家から出ません。悪天候の中、野道を歩くこと等は、苦行でしかない。周囲の景色を楽しむ余裕、そのうちに持てるでしょうか。

昨年は長野を巡る機会がありました。特に上高地は、自然を守るための様々なルールが定められていることもあり、現地へは厳しいアクセス制限があります。これまでで一番大変な移動だったかもしれません。ですが、辿り着いた先には、都会では決して見ることのできない素晴らしい景色、美しい色が沢山ありました。

人間は非力なものだと改めて気づく瞬間。
宝石のアクアマリンと同じ色。
川底の藻もこんなに美しいのです。自然界はカラフル。

ある程度の歳になると、自分のスタイルというものが出来上がってしまうので、興味が無いところへは出掛けないし、自分には合わない(と思っている)物事とは関わらなくなってきます。でも、そこを敢えて崩してみる-誰か他の人に乗っかって動いてみることが手っ取り早いかもしれません-ことで、行動範囲は確実に広がるし、経験値も上がりますよね。これ、特に運気を変えたい場合は、カンフル剤または特効薬にもなります!