風水を含む五術:中華宇宙論という知識体系の歴史は6千年ともそれ以上とも言われていますが、現在まで人々が生活の中で取り入れ実践し続けてきている主な理由のひとつには、その時代時代できちんと照合性を出し続けてきたことではないでしょうか。

例えば、黄帝内経(Yellow Emperor’s Health Book)が書かれた時代には、AIDSという病気は存在していませんから、何の五行がAIDSと関連しているのか等は当然ながら記されていません。ですが、今の時代に四柱推命で健康問題を観る際には、AIDSはある特定の五行のアンバランスが引き起こすということがきちんと定義されています。或いは、初めて“風水″という言葉を記したとされている『葬経』を書いた郭璞の時代には、コンピューターというものはありませんでしたが、現代の風水に於いては、コンピューター産業(IT業界)は特定の五行であるということが明らかにされています。

建築もしかり。風水の一番古い歴史と言われる人類が洞穴に住んでいた時代に比べて、実に様々な建築様式がありますし、構造やフロアプランも複雑なものになっていますが、風水の良し悪しを判断する鑑定手法は、現代建築にもきちんと対応出来ています。

以前、東洋医学に沿った薬膳料理教室に通っていた知人から聞いた話です。食品の五行分類に蕎麦が載ってなかったので、『どうして蕎麦は載っていないのですか?』と先生に質問したところ、『蕎麦は無いんです』という良く解らない答えが返って来たとのこと。中華宇宙論を全体としてではなく、一部を一極集中でしか観ていないと、どうしてもこのような対応になってしまうのでしょう。

新しい時代、新しい物事に対し、常に対応していくことの出来る柔軟性が、正統派風水や四柱推命(八字)を始めとする中華宇宙論にはあります。それにより、私たちは現代でもその叡智から大いなる恩恵を受けることが出来ている訳ですね。

蕎麦だって現代ではきちんと五行分類されているんですよ!