立春(新しい1年が始まる初日)の前日、本日は節分です。季節の分け目ということで、各地で豆まきや邪気払いの行事があったり、恵方巻を食べる日として定着していますが、実は、日本以外では節分にそのような伝統行事を行ったり、お祝いする習慣というのは無いんです。旧正月を祝う春節に近いので、中華圏でも同じ様にお祝いする日と思いがちですが、日本独特の伝統行事なんですね。私も風水を学ぶまでは、中国でもあるイベントだと思っていました。

鬼はそもそもどこにいる?

中国本土から渡って来た二十四節気の概念と、仏教の教えである五蓋、元々天皇はじめ宮中で行われていた悪霊払いの儀式などが合算され、日本独特の節分行事が出来上がっていったものと思われます。

『季節の変わり目には邪気=邪鬼が生じる』ため、それを追い払う行事な訳ですが、ではその邪気(邪鬼)はどこに生じるのでしょう?どこか、外からやってくるのでしょうか?

目に見えない邪気を擬人化したものが、節分での鬼になりますが、本来は五色の鬼がいるのです。仏教の教えにある五蓋(仏教の修行を妨げる5つの障害、5つの煩悩)の擬人化が、鬼となって退治されるものなんですね。なので、赤鬼、青鬼だけではなく、五色の鬼がいる訳です。それぞれが煩悩を表しています。

赤鬼:貪欲(必要以上に求める心、渇望、欲望)

青鬼:瞋恚(怒り、憎しみ)

緑鬼:昏沈睡眠(怠惰、眠気)

黄鬼:掉挙悪作(心の浮き沈み、後悔)

黒鬼:疑(疑う心)

鬼の内容を知ると、鬼はどこにいて、どこから外へ追い出さなくてはいけないのか、判りますよね?

五色の鬼は、私たちの心、意識に生じるものです。全ての原因は、我が内にあり、ということ。他人のせいでもなく、環境のせいでもなく。人生が上手くいかない全ての原因は、自分の中にあるということ。ここを意識するかどうかで、人生展開はだいぶ変わってくるものです。

明日から暦上は春、宇宙のエネルギーの新しい1年が始まります。せっかくですからその前に、自分の中の邪気=鬼を追い出して、内側から良い気で満たし、2017年度のスタートを切りましょう!始め良ければ終わり良しですよ!