昨年末のことですが、中国古典の研究者の方(男性)とお話しする機会がありました。その方曰く、日本ではここ数年、孔子の教え・論語が、経営者の間でじわじわ人気復活していて、企業セミナー等で講演を頼まれる機会が増えてきている、ということを仰っていました。

一方、大学で中国古典・中華思想を教えている方(男性)のエッセイを最近目にしたところ、面白いことが書いてありました。

『日本の教育に於いて、高校あたりでは中国古典=論語を中心に教えるところが多い様です。ですが、論語の中にある孔子の教えは、どちらかと言うと中高年のオジサン向きの内容なんですね。一方で、孔子の教えに反対しケチをつけた“老子”や“荘子”は、その表現の面白さ、発想のユニークさで、若者に対してアピールするところが多いんです。僕は今大学で教えているので、学生たちの反応が手に取るように判るんです。孔子の儒教思想より、老荘思想の方が断然ウケが良いんです。』

私も足掛け2年ほど、孔子(論語)、了凡四訓(陰騭録)、立命論、老子(道徳経)、荘子、など、中国古典・東洋思想(風水師として、五術:The Five Artsを教える身として、基本中の基本となる中華思想全般)について学んできた身なので、なるほど~と思うところがありました。孔子が説く中に多く出てくる、“人の上に立つには徳を積みましょう”、“善い行いをしましょう”、・・・という教えは、生真面目である分、堅苦しいと感じてしまうのは、私だけではなかったのね~ということで、ちょっと嬉しくなりました。

時代を超えても最先端アヴァンギャルド!

老子(道徳経)、荘子、とっつきにくい本かもしれませんが、頭から押さえつけられるのを好まない、枠を取っ払うのを常としているタイプの人にとって、また常にガチガチの固定観念に捕らわれている人にとって、老子と荘子の教えは、非常識と逆転の発想のオンパレードと言っても過言では無く、一語一句がとにかく爽快極まりないと思います!紀元前6世紀頃に現れた人が残した言葉や教えですが、今でも十二分にアヴァンギャルド、最先端とも言えるのでは?

ゆとり世代とか、最近の若者は、と揶揄されることも多いですが、今の大学生が論語よりも老荘思想に興味を持つということを聞いて、日本の未来もそうそう悲観することは無い、と勝手に安心した訳です(笑)。

この夏休み、時間があればぜひ老子・荘子を読んでみてはいかがでしょうか?人生どうもスムーズに展開しないと悩んでいる方は、あなたの中で埋もれたまま押されていない“やる気スウィッチ”が、どこか押されるかもしれません。天地人と言う言葉がありますが、天の気(四柱推命で表される生まれ持ったエネルギー)、地の気(風水で表される身を置く環境のエネルギー)、そして、最終的に一番重要なものは人の気、自分自身の意思と意識です。この部分には、“効く”サプリ本だと思いますよ!