10年来の付き合いになる風水師仲間が、昨年11月ご主人の退職に伴い、約20年住んでいた香港からもともとの地元オーストラリアへ引っ越しました。ご存じの通り、香港の情勢は難しくなる一方で、ここへ来て更に厳しくなってきています。『私達は良い時に脱出できたけど、現地の友人を考えると胸が痛むわ』と、このロックダウン中に彼女から何度か香港についてメールが入りました(香港を心配しつつも、目下の悩みは、塀を超えて庭に入り込んできて、彼女の犬たちを怯えさせている野生のカンガルーとの闘いとのこと)。

私自身、かつて勤めていた米企業のアジア拠点が香港支社だった関係で、現地人の元同僚や友人が多くいます。彼女たちの半数は、英国統治下時代に英国のパスポートを取得しているので、最悪の場合、移住も視野に入れているとのこと。一方、中国のパスポートしか持っていない人達は、先の見えない不安でいっぱいの様です。

風水の本場のひとつで、もともとの地形が良い風水な上、風水のテクニックを駆使した有名な建築物も多く、当方の『世界の風水体感ツアー』でも2度、香港を訪れています。良い風水でも有名なザ・ペニンシュラは、個人的にも大好きなホテルのひとつですが、今後の情勢によっては、残念ながらもう行くことがなくなるかもしれません。

ドイツで荒井式中心気功ワークショップの事務局をしてくれたニコールは、東ドイツで生まれ育ち、大学生のある日、突然‟西側”の一員となり、資本主義社会での生活が始まった時、とにかく混乱しかなかったという話をしてくれたことがあります。何故なら彼女は、それまでの生活に特に不満を感じていなかったから(もちろん、共産国家の質素な生活だったけれど特に不便では無かったとのこと)。

香港の友人たちは、ニコールとは逆のプロセスを踏むことになりそうです。資本主義で生まれ育った人が、共産主義の支配下に。英国から返還された時から、もうカウントダウンが始まっていたという声も多いです。一応、一国二制度の方便の下で香港の自由は継続されてきた訳ですが、香港民の言う『自由』と、中国本土の言う『自由』とは同じではありません。

気(宇宙のエネルギー)は、ひとつのところに固定しているものではありません。時間の経過とともに移ろい行きます。それ故、香港の風水も永遠に良い訳ではないのです。


また、香港行政長官は、中国本土寄りの人が続いています。オフィスの風水がトップ(社長)の運気(四柱推命)の影響を受けると同様、国の繁栄は誰がトップになるかで大いに変わってくるのです。

香港好きなひとりとして、香港の行方をしっかり見ていきたいと思います。

もう泊まることもないのでしょうか・・・?