惜しみつつドルダーグランドを後にし、チューリッヒ中央駅から列車にてサン・モリッツを目指します。欧州屈指のラグジュアリーウィンターリゾートであるものの、チューリッヒからは直行列車が無く、途中のクールまではIC特急、クールからはローカル列車を乗り継がなくてはなりません。1週間超の旅程、冬物のかさばる荷物に加えて、雪山の支度あり、夫の撮影機材もありで、一番大きいスーツケースを転がしての列車乗り継ぎ旅は、かなりしんどかったです。ドイツもそうでしたが、スイスの列車は床が高いので、荷物を持ち上げて階段を上がって乗り込まなくてはなりません。この辺り、ユニバーサルデザインにならないものなのでしょうか?ぜひ検討して頂きたい!

大荷物での長時間移動ということで、チューリッヒ~クール間は1等車の切符を買ったのですが、座席予約が出来ない期間だったため、乗り込むまではヒヤヒヤでした。何とか荷物も置けて、席も確保できてひと安心。まずは1時間43分、車窓からの景色を楽しみました。

スイスの車窓から。平和な風景が続きます。癒されます。

列車は南下していく訳ですが、山岳地帯へ向かって行くので、だんだんと雪深くなって行きます。スイスは南側にアルプス山脈があるんですよね。通常、南部=暖かいというイメージですが、スイスは北も南も高い山脈にぐるっと囲まれているので、北も南も、中央よりも寒いところなんですね。雪山のトンネルも沢山抜けていきます。

何両編成だったのでしょう、カーブでは先頭車両が見えます。

しかし、クールでの乗り換えは猛ダッシュとなりました!降りたホーム向かいの列車なのですが、IC特急と違い、ローカル列車は車両が短く、はるか前方なのです!勝手を知っている地元の人々は、我先に小走りで行きます。それに負けじとスーツケースを引きずりながらのダッシュ。ローカル線なのでもちろん座席予約などありません。クール~サン・モリッツ間は2時間掛かるので、座れないとツライです。おまけに冬のハイシーズン、国内外から雪のリゾート地への移動のピーク。熟年ご夫婦が座っていた4人掛けの席に、なんとか相席させてもらえることになり、ホッとしました。サン・モリッツに近づくにつれ、更に雪深くなってきます。しかも昨晩は大吹雪だったそうで、まぁ積もっていること!

非アウトドア人間、雪山リゾートに来てしまいました。しかも世界的に有名な…。

サン・モリッツ駅は、ウィンターリゾートとして、またここを始発とするベルニナ特急でも有名ですが、とても小さな山間の街です。この小さな街に、世界中からセレブやお金持ちが集まってきていると思うと、不思議な感じです。駅までは、ホテルの車がお迎えに来てくれました。サン・モリッツでの宿は、こちらもSwiss Deluxe HotelsのメンバーであるKulm Hotel。もちろん5ッ星です。クルムはサン・モリッツがリゾートとして形成された起源となるホテル、伝統と格式を具えた老舗ホテルで、これがまた素晴らしいとしか言いようがないホテルでした。ドルダーグランドとは趣向が異なるものの、ホスピタリティの素晴らしさは同じく最高レベル。こちらも本来であれば長期滞在すべき宿なのですが、たったの2泊しか泊まれなかったイチ小市民、実に残念でした(笑)。